袴の五本の襞(ひだ)の意味


「五倫五常」の道(2021年10月9日)

剣道の袴には五本の襞(ひだ)があります。これは「五倫五常」の道を諭したものとされています。古代中国の孔子の思想に基づく儒教の教えです。

五倫とは、基本的な人間関係を規律する5つの徳目を表しています。

君臣(くんしん)の義 … 主人と家来は義を重んじお互いを思いやる
父子の親 … 父子は親しみを持つ
夫婦の別 … 夫婦は互いに役割を持つ
長幼の序 … 兄弟は互いを愛し、敬って序(上下関係)を守る
盟友の信 … 盟友(固い約束を結んだ友)は信じあう

五常とは、人が常に守るべき5つの徳目、仁・義・礼・智・信を表しています。

仁 … 思いやり、情け、慈しむ心
義 … 他人に対して守るべき正しい道。人の道にかなっている事
礼 … 親や目上の人に礼儀尽くす事、自分を謙遜し、相手に敬意を持って接する事
智 … 人や物事の善悪を正しく判断する知恵
信 … 心と言葉、行いが一致し、嘘が無いことで得られる信頼

ちなみに、袴の後ろ1本のひだには、二心のない誠の道を示すとも言われています。
裏の折れ目は、忠・孝を表しているそうです。

忠 … 主君に尽くすまごころの事
孝 … 親、兄弟を大切する心

最後に、袴の折り目込められた「五倫五常」の教えを心に留めて、日頃の稽古終了時に自身の稽古、日頃の行動を見直す心を持つよう心掛けたい思います。

 

by k.tetsu

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